ニシンそばをご存じでしょうか。温かいおそばの上に身欠きニシンを柔らかく戻して甘じょっぱく煮付けて載せたおそばです。 ニシンそばといえば一見、明治期のニシン漁のイメージから、昔から小樽の名物としてあったかのように思われがちです。
しかし、ほんとは違うよ。ニシンにはニシンの歴史、小樽のそば屋さんにはまたその歴史があり、その二つが小樽で出会ったのは最近なのだという展示が小樽市総合博物館運河館・第一展示室で行われています。題して
運河館トピック展「虚像からうまれた名品小樽のニシンそば」
今日はその展示解説がトピック展ギャラリートークとしておこなわれました。
講師はご存じ石川直章総合博物館館長です。
石川館長のお話。相変わらずの博識です。庶民の味、おそばについてまで調べておられるとは。
お話はまず小樽のニシン漁について、明治から昭和初期までの活気のあるニシン漁とそのニシンがほとんど綿や藍の栽培のための肥料として本州に運ばれていたこと。
その一部が保存食用として身欠きニシンに加工され、明治期に京都で棒煮という京都のおばんざいとなってそばにのせられたのがルーツだそうです。
江差町で私も昔に食べたことがありますが、江差には明治40年に伝わった記録があるそうです。
一方、小樽のそば屋さんは記録では明治4年頃から確認できるそうです。現在営業しているおそば屋さんで最古は「一福」さん。
途中でニシンの棒煮京都のものと小樽のおそば屋さん藪半のものを試食させてもらいました。
小樽のニシンそばは、もっと後年になってからではないかとのことで、現在、6件のそば屋さんでニシンそばを提供しているそうです。
小樽の古い写真におそば屋さんが写っています。
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