兵庫氏の写真を通したまなざしは観光都市小樽以前の市民の生活空間にくまなく届いています。当時「斜陽のまち小樽」と言われた時代の面影を写真という形で記録した、現在の小樽からみると貴重な資料ですし、私は写真という形の表現活動、すぐれた作品群だと感じました。
その作品群に視点を定め、現在その撮影地がどうなっているのかを実際にフィールドワークしたのが小樽商科大学江頭ゼミのみなさんです。
その成果が兵庫氏の作品と現在の現地の写真が並べて展示されています。40年の歳月がどうまちを変え、また、変わっていないのかを比べることが出来ます。
今も残っている建物、町並みがほとんど変わっているところ。同居しているのが小樽の魅力。
ただ単に古い小樽が懐かしいというだけでなく、まちの変化に何が影響・作用しているのかなどを考えさせられましたし、進歩、発展、不朽、衰退、老朽いろんな単語が思い浮かびます。さらに、今後の40年でこのまちはどう変わっていくのか、どう変えていくべきか、変えずにいくべきか。まちの将来をみんなで考える非常におもしろい提起になっている企画だと感じました。
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